ドイツ連邦内閣、ディープフェイクや偽アカウント、GPSを使ったストーカー行為を対象とするデジタル暴力対策法案を閣議決定
法案は、性的ディープフェイクを含む同意のない親密な画像について新たな犯罪類型を設けるほか、被害者が裁判所を通じて匿名アカウントの身元を明らかにし、違法な投稿を削除させる手段を設ける。連邦議会での採決はまだこれからだ。

ポイント
- 1ドイツ内閣は10月7日にデジタル暴力対策法案を閣議決定したが、連邦議会はまだこれについて決定する必要がある。
- 2新たな犯罪類型は、性的ディープフェイクを含む親密な画像を同意なく作成・共有する行為を、本物かコンピューター生成かを問わず対象とする。
- 3強姦動画の所持や故意の閲覧、他人名義の有害な偽アカウント、GPSトラッカーを使ったストーカー行為も処罰対象となる。
- 4被害者は裁判所命令により、プラットフォーム、インターネット事業者、グループチャット機能を持つメッセンジャーにアカウント保有者の開示や違法投稿の削除を強制できるようになる。
- 5批判派は、法案がIPアドレスを3か月間とみられる期間保存する別の計画に依拠している点に異議を唱えている。
記事全文
ドイツ連邦政府によると、連邦内閣は10月7日(水)、デジタル暴力からの保護を強化することを目的とした法案を閣議決定した。法案はシュテファニー・フービヒ氏(SPD)が率いる連邦司法省が作成したもので、二つの部分から成る。政府が刑事責任の「隙間」と呼ぶものを埋める刑法改正と、被害者がオンライン上の権利侵害に対して民事上の措置を取りやすくする新たなデジタル暴力保護法だ。これはまだ内閣の法案段階であり、tagesschauによると、連邦議会はまだこれについて決定していない。フービヒ氏は4月に最初の草案を提示しており、netzpolitik.orgによると、閣議決定版はその後、複数の点で厳格化された。
刑法部分の中心は、性的ディープフェイクや、誰かへの報復目的で共有される親密な写真など、親密な画像の無断作成・拡散を対象とする新たな犯罪類型だ。政府によると、それが公の場で行われるか私的な場で行われるか、また素材が本物かコンピューター生成かは問わない。サウナやヌーディストビーチなど一般に開かれた場所で盗撮的なヌード画像を撮影する行為も処罰対象となる。netzpolitik.orgは、現行法は特別に保護された空間での秘密裏のヌード撮影しか対象としておらず、公共のサウナ、更衣室、ビーチは除外されていると指摘している。衣服を着た状態の身体の親密な部位を狙った隠し撮りも、例えばズームインするなどして映像が明らかに性的なものである場合は対象となり、テーブルの下に隠された機器といった状況も考慮される。
netzpolitik.orgによると、閣議決定版は4月の草案よりも踏み込んだ内容となっている。強姦を映した動画の所持や故意の閲覧は犯罪とされ、最長3年の禁錮刑または罰金が科される。他人の名義で偽アカウントを運用したり、他人になりすますディープフェイクや類似のコンテンツを拡散したりする行為も、その人物の名誉を深刻に傷つけ得る場合には処罰対象となる。法案はまた、サイバーストーキング、すなわちGPSトラッカーで所在地を追跡するなど、ある人物を繰り返し執拗に無断で監視する行為を、刑法上より明確に規定する。
政府によると、民事面では、例えば侮辱などによりオンラインで標的とされた人は、損害賠償請求を行うために必要な場合、プラットフォームやインターネット接続事業者に対し、アカウントの背後にいる人物の氏名、生年月日、住所、メールアドレスなどの情報開示を命じる裁判所命令を得られるようになる。netzpolitik.orgによると、申し立ては地方裁判所に対して行われ、この権利は今回、グループチャットを提供している場合にはWhatsApp、Telegram、Signalなどのメッセージサービスも対象に含む。閣議決定版で新たに加わったのは、アカウント保有者が不明であっても、個々の違法な投稿を裁判所命令によって削除させる権利で、これはアカウント凍結という別の手段とはもはや結び付けられていない。裁判所は引き続き、重大な違反、特に刑事上問題となる発言があり、さらなる違反が予想される場合には、相当な期間アカウントをブロックできるが、政府は表現の自由を守るためにハードルを高く設定しているとしている。
netzpolitik.orgによると、この法案は通信データ保存義務の復活とも結び付いている。同メディアが引用した法案理由書によれば、プラットフォームや接続事業者は、予防的に保存されたIPアドレスを含め、被疑者についてすでに保有しているデータの保全を命じられる可能性がある。同じ省による別の法案はIPアドレスの保存を義務付けるもので、その期間は3か月となる見込みだ。ドイツでは2017年から通信データ保存義務の運用が停止されている。インターネット業界団体ecoの役員は、理由のないIPアドレスの3か月間の保存は均衡を欠くと批判した一方、フービヒ氏は、IPアドレスの保存はデジタル暴力から人々を守ることの一部だと述べた。
なぜ重要か
政府によると、2024年の警察犯罪統計に記録されたデジタル暴力の被害者の60パーセントは女性で、政府は法律がデジタル世界に追いついていないとしている。外部の団体はなお不備を指摘する。裁判官の団体であるドイツ裁判官連盟は、各州が過重負担の刑事裁判所の人員不足を解消しない限り、法律の厳格化だけでは不十分だとしている。ドイツ女性評議会は警察、検察官、裁判官への研修の義務化を求め、市民権団体GFFは個人だけでなく団体も提訴できるようにすること、また開示請求権をデータ保存と切り離すことを求めている。ドイツ女性法律家協会は、この法律が構造的な問題に大きな効果をもたらすか疑問視している。どの論点が最終的な法律に盛り込まれるかは、連邦議会での審議で決まる。
経緯
· 公開
トピック#デジタル暴力#ディープフェイク#ドイツ#サイバーストーキング#通信データ保存#プラットフォーム規制
出典
この記事は以下の情報源に基づいています。全体の文脈は各情報源をご覧ください。
- 1Die Bundesregierung · 公式発表Besserer Schutz vor digitaler Gewaltwww.bundesregierung.de
- 2netzpolitik.org · 報道Gesetz gegen digitale Gewalt: Fake-Accounts und Vergewaltigungsvideos sollen strafbar werdennetzpolitik.org · 2026年10月8日
- 3tagesschau · 報道Besserer Schutz vor sexualisierten Aufnahmen geplantwww.tagesschau.de · 2026年10月7日



