Google、Willowでマジック状態の培養を実証、誤りを約40分の1に
Google Quantum AIによると、マジック状態を準備するためのフィルタリング手法が同社のWillowチップ上で99.99%の忠実度に達した。成果はScienceに掲載された。チームのプレプリントによると試行の8%が保持され、より大規模な検証はこれからだという。

ポイント
- 1Google Quantum AIによると、マジック状態培養によりWillowプロセッサ上で誤りが約40分の1に減少した。成果はScienceに掲載された。
- 2arXivプレプリントは、試行の8%を保持しつつ0.9999(1)の状態忠実度を報告。Googleは99.99%という数値を記録だとしている。
- 3マジック状態は汎用量子計算に必要な非Clifford演算を可能にするが、一度しか使えず、作るのにコストがかかる。
- 4チームは同一のハードウェア上で、距離3のカラー符号から距離5の表面符号へ状態を移植した。
- 5Googleは、この技術はまだより大規模に実証する必要があり、多くの技術的課題が残っているとしている。
記事全文
Google Quantum AIは、特殊な種類の量子リソースを準備する技術である「マジック状態培養(magic state cultivation)」が、同社の超伝導プロセッサWillow上で機能することを示したと発表した。同社によると、この手法により、手法を用いずに準備した状態と比べて誤りがおよそ40分の1に減少した。Googleは、この成果がScienceに掲載されたと述べ、研究科学者のEmma Rosenfeldと量子ソフトウェアエンジニアのCraig Gidneyによるブログ記事で今週発表した。
誤り耐性量子コンピューターには汎用的な演算セットが必要であり、その中のいわゆる非Cliffordゲートは、ほとんどの誤り訂正設計において大きなリソースコストとなる。これを提供する一般的な方法の一つは、まずマジック状態と呼ばれる特殊な入力状態を準備し、それを消費してこれらの演算を実行することだ。各マジック状態は一度しか消費できず、低い誤り率で作るにはコストがかかる。Googleは、マシンの処理能力の最大95%がその生成に費やされる可能性があるとの見積もりを挙げている。同社によると、研究者たちは2004年からこのボトルネックを予見していた。
培養は2024年に、GidneyがGoogleの同僚であるNoah ShuttyおよびCody Jonesとともに提案したもので、それ以前の文献にあったアイデアを改良したものだ。この手法はフィルターとして機能する。ノイズを含む状態をチップの小さな領域に注入し、一連の協調した測定で検査して、誤りが判明した試行はすべて破棄する。チームのarXivプレプリントの要旨によると、実験は試行の8%を保持しつつ0.9999(1)の状態忠実度に達し、チームはその忠実度に限界値を与えるための誤り耐性のある測定プロトコルを開発した。Googleは、T状態における99.99%の論理忠実度を記録だとしている。
研究者らはまた、培養した状態を2つの誤り訂正方式の間で移した。より新しい手法であるカラー符号は培養に適しており、一方で表面符号はより確立された手法だ。チームは距離3のカラー符号から距離5の表面符号へ状態を移植し、Googleによれば、これにより精製された状態が同社のハードウェア上で受け渡しを経ても保たれることが示された。同社はまた、初期のデータが物理的にあり得ないように見えたことから、数カ月にわたるトラブルシューティングを行ったと説明した。Rosenfeldは、問題の原因が電気機器のドリフトや温度変化による実験室のノイズにあり、それがチームの通常のベンチマークを損なっていたことを突き止めた。これを受けて制御が追加され、培養自体を使って培養を測定する新たなベンチマーク手法が導入された。
Googleは、培養が実用的なマシンで現実的なものとなる前に、まだより大規模に実証する必要があることを認め、多くの技術的課題が残っているとも述べた。また保持率の数字は、実験における試行の大半が破棄されたことを意味する。論文のプレプリントは以前にarXivで公開されていた。Googleはこの成果を、有用な誤り訂正型量子コンピューターを構築するという目標に向けた一歩と位置付けている。
なぜ重要か
量子コンピューターが汎用プログラムを実行するにはマジック状態が必要であり、その生成はマシンのリソースの多くを占めると予測されてきた。Googleは、より低コストで実験的に検証された手法により、実用的なタスクに必要なハードウェアを縮小できる可能性があるとしているが、この成果はまだより大規模には示されていない。
経緯
· 公開
トピック#量子コンピューティング#Google Quantum AI#Willow#量子誤り訂正#マジック状態
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